労働者派遣法のポイント

労働者派遣をご利用いただくにあたり、クライアントの皆様には円滑な業務運営を、派遣スタッフの皆様には安心してご就業をお約束するための労働者派遣法のポイントを記載しております。

「事前面接」は禁止

労働者派遣法では、派遣先の「派遣労働者を特定することを目的とする行為」は、禁止されています。
つまり労働者を選別、特定する目的で派遣先は就業前に派遣スタッフと会うこと(事前面接)は禁止されています。

但し、派遣就労する前に派遣スタッフが自発的に派遣先事業所を見学したり、業務の内容の説明をうける「職場見学」や「業務説明会」等への参加など、勤めるのに適当であるかを判断する目的で行われるものである場合は「事前面接」にはあたりません。


その他履歴書などの提出要請、性別限定、若年者限定、適性検査なども上記同様、派遣労働者を特定するという観点から厳禁です。


《紹介予定派遣なら、事前面接・履歴書提出が可能》
紹介予定派遣とは、派遣の開始前または開始後に、派遣元が、派遣労働者及び派遣先に職業紹介することを予定して派遣就業させるものです。
派遣期間(最長6ヶ月間)を通じて、派遣スタッフは仕事の内容や自身の能力適性、職場環境を判断し、派遣先は派遣スタッフの能力や職場適性を判断できるメリットがあります。
その上で、双方の求職・求人の意思を確認し、合意があれば派遣先の直接雇用となります。
なお紹介予定派遣においては、派遣スタッフの特定行為が可能であり、事前面接、履歴書の提出を求めることができます。

派遣できない業務

労働者派遣法では、派遣を行ってはいけない「適用除外業務」が以下のとおり決められています。

1.港湾運送業務
2.建設業務
3.警備業務
4.病院・診療所等における医療関連業務
 (但し、紹介予定派遣・産休等代替・へき地の医師を除く)
5.弁護士・税理士等いわゆる「士」業務(一部例外あり)

派遣の受入期間の制限について

派遣を利用するにあたり、受け入れが可能な期間の制限には、
①派遣労働者個人単位の期間制限 と ②派遣先事業所単位の期間制限 の二種類があります。

①派遣労働者個人単位の期間制限

同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、原則、3年が限度となります。

  • 3年の起算は、新法適用契約の開始日からとなるため、契約の更新時期によって、派遣スタッフ個人ごとに異なる可能性があります。今までどれだけ働いていたかは関係ありません。

(派遣労働者個人単位の期間制限)


  • 3年の上限に達する派遣スタッフにおきましては、御社の直接雇用での雇用継続のご検討をお願いします。
    (直接雇用 = 無期の正社員に限定されません。有期の契約社員等も含めてご検討お願いします。)
期間制限の例外
  • 派遣元事業主に無期雇用される派遣労働者を派遣する場合
  • 60歳以上の派遣労働者を派遣する場合
  • 終期が明確な有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合
  • 日数限定業務(1か月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)に派遣労働者を派遣する場合
  • 産前産後休業、育児休業、介護休業等を取得する労働者の業務に派遣労働者を派遣する場合

②派遣先事業所単位の期間制限

同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は、原則、3年が限度となります。

  • 派遣先が3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先の過半数労働組合等からの意見を聞く必要があります。
    (1回の意見聴取で延長できる期間は3年まで)

弊社と初めてお取引させていただく際には、御社の事業所で「人材派遣」の受け入れを開始した日付をご通知願います。(2017年4月12日以降の他社派遣会社実績も含む最初の派遣契約締結日)

  • 3年の起算は、その事業所で最初に始まる新法(改正法)適用契約の開始日からです。
  • 新法が適用されるのは、法改正の “施行日以降に締結する” 派遣契約(更新契約含む)からです。
  • 3年までの間に派遣労働者が交代したり、他の労働者派遣契約に基づく労働者派遣を始めた場合でも、派遣可能期間の起算日は変わりません。
  • 過半数労働組合がない場合には、事業所の従業員代表に意見を聴くことが必要です。
    意見聴取の手続き漏れや、意見聴取をした相手が正当に選出されていないにも関わらず、3年を超えて派遣の受け入れを行った場合、期間制限違反として、「労働契約申し込みみなし制度」が適用されることになりますのでご注意願います。

(派遣先事業所単位の期間制限)

「事業所」、「組織単位」の定義

事務所
  • 工場、事務所、店舗など、場所的に独立していること
  • 経営の単位として人事・経理・指導監督・働き方などがある程度独立していること
  • 施設として一定期間継続するものであること

…などの観点から、実態に即して判断

組織単位

いわゆる「課」や「グループ」など、

  • 業務としての類似性、関連性がある
  • 組織の長が業務配分、労務管理上の指揮監督権限を有する

ものとして、実態に即して判断

派遣労働者の労働保険・社会保険の適用

以下の要件を満たしている場合は派遣元は加入手続きを行わなければなりません。


・雇用保険の加入要件

1.1週間の所定労働時間が20時間以上

2.31日以上引き続き雇用することが見込まれる

の両方を満たす場合


・社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入要件

1.派遣契約期間が2ヶ月を超える場合、または当初は2ヶ月以内であっても更新して2ヶ月を超えた場合

2.1ヶ月の所定労働日数及び1日または1週間の所定労働時間がその事業所で同種業務を行う労働者のおおむね4分の3以上である場合

派遣先責任者の選任

派遣先は派遣労働者の管理や派遣元との連絡調整、派遣労働者の苦情対応を図るため、派遣先責任者を選任しなければなりません。派遣先責任者は事業所ごとに派遣労働者100人あたりに1人以上の選任が必要です。ただし派遣労働者の人数と派遣先が雇用する労働者の人数があわせて5人以下の場合は選任する必要はありません。

派遣先管理台帳について

派遣先責任者は派遣労働者の記録となる派遣先管理台帳を作成し、3年間保存しなければなりません。

※就業者の勤怠管理を行うタイムシートも派遣先管理台帳の一部とみなされ、保存義務が生じます。

派遣契約の中途解除の対応

派遣先都合による派遣契約の中途解除にあたっては、派遣労働者の新たな就業機会の確保、休業手当等の支払いに要する費用の負担等の措置を講ずるよう、派遣先に対して義務化され、派遣契約書に、派遣契約の解除時に講ずる派遣労働者の新たな就業機会の確保、休業手当等の支払いに要する費用の負担等に関する事項を盛り込むことが明示されています。


具体的には、派遣契約の解除に際して、派遣労働者の雇用の安定を図る観点から、当該労働者の派遣の派遣契約の当事者である派遣元事業主及び派遣先が協議して以下のような措置を定めることとされています。


1.派遣契約の解除の事前の申し入れ
派遣先は、専ら派遣先に起因する事由により、派遣契約の契約期間が満了する前の解除を行おうとする場合には、派遣元事業主の合意を得ることはもとより、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元事業主に解除の申し入れを行なわなければなりません。


2.派遣先における就業機会の確保
派遣元事業主及び派遣先は、派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該派遣先の関連会社での就業をあっせんする等、当該派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図らなければなりません。


3.損害賠償等に係る適切な措置(派遣元事業主の休業手当等の支払いに要する費用の負担)
派遣先は、派遣先の責に帰すべき事由により派遣契約の契約期間が満了する前に派遣契約の解除を行おうとする場合には、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図らなければなりません。これができないときは、少なくとも当該派遣契約の解除に伴い当該派遣元事業主が当該派遣に係る派遣労働者を休業させること等を余儀なくされたことにより生じた損害の賠償を行わなければなりません。

例えば、当該派遣元事業主が当該派遣労働者を休業させる場合は、休業手当に相当する額以上の額について、当該派遣元事業主がやむを得ない事由により当該派遣労働者を解雇する場合は、派遣先による解除の申し入れが相当の猶予期間をもって行われなかったことにより、当該派遣元事業主が解雇の予告をしないときは30日分以上、当該予告をした日から解雇の日までの期間が30日に満たないときは当該解雇の日の30日前の日から当該予告の日までの日数分以上の賃金に相当する額以上の額について、損害賠償を行わなければなりません。
また、派遣元事業主及び派遣先の双方の責に帰すべき事由のある場合には、派遣元事業主及び派遣先のそれぞれの責に帰すべき部分の割合についても、十分考慮して損害の賠償を行わなければなりません。


4.派遣契約の解除の理由の明示
派遣先は、派遣契約の契約期間が満了する前に派遣契約を解除を行おうとする場合であって派遣元事業主から請求があったときは、派遣契約の解除を行った理由を当該派遣元事業主に対し、明らかにしなければなりません。

WBS株式会社英語サイト

WBS株式会社中国語サイト