外国人労働者の「特定技能」就労、準備不足で想定の1割弱3987人 制度創設1年

外国人労働者の「特定技能」就労、準備不足で想定の1割弱3987人 制度創設1年

配信

毎日新聞

在留資格「特定技能」で来日して働くベトナム人の男性2人=群馬県館林市内で2020年2月25日、妹尾直道撮影

 出入国在留管理庁は29日、外国人労働者の受け入れ拡大に向けて創設された「特定技能」の在留資格で就労する外国人が創設から1年となる3月末時点で、政府の最大想定の1割に満たない3987人だったと発表した。資格試験の実施が出遅れるなど準備不足が影響し、伸び悩んだ。年度後半からは増加傾向が強まったが、2年目となる4月以降は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により再び鈍化している。 【動画で解説】なぜ急ぐ?外国人労働者受け入れ政策  2018年12月の改正入管法成立に伴い、特定技能は19年4月に創設された。人手不足が深刻な14業種が対象で、政府は初年度は最大4万7550人、5年間で最大34万5150人の受け入れを見込んだ。資格は業種ごとの技能試験と日本語試験に合格すれば取得できるほか、3年間の技能実習を修了すれば無試験で移行できる。3987人のうち、技能実習からの移行が91・9%を占めた。  業種別では、飲食料品製造業が1402人で最も多く、農業686人▽素形材産業437人▽産業機械製造業428人▽建設業267人▽外食業246人――など。国籍は、ベトナムが半数超の2316人に上り、インドネシア456人、中国331人と続いた。就労地域は47都道府県にわたり、愛知県が337人で最多。千葉、東京、埼玉、福岡、茨城の5都県が200人を超えた。  特定技能の就労者は、創設から半年の19年9月末では219人と低迷。送り出し国との協力覚書の締結が制度開始後にずれ込み、業種ごとの試験実施も大きく出遅れたほか、国内の受け入れ企業にも手続きの周知が進まなかったことが要因とみられる。その後、送り出し国の制度整備や海外での試験実施が進み、20年2月末に2994人、3月末に3987人に達した。  だが、新型コロナの影響で日本を含む各国で出入国が制限されたほか、国内経済の悪化に伴う解雇例もあり、4月末は速報値で4497人と前月比510人増にとどまった。3月以降、国内外で技能試験の中止が相次いだが、再開の動きが出ているという。【村上尊一】

【関連記事】

WBS株式会社英語サイト

WBS株式会社中国語サイト