「ものづくり楽しい」佐賀県の技能検定競技大会 ベトナム人2人が初受賞

「ものづくり楽しい」佐賀県の技能検定競技大会 ベトナム人2人が初受賞

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毎日新聞

ヴォ・ヴァン・チェンさん=佐賀県小城市で、池田美欧撮影

 さまざまな職種の技能向上のため佐賀県が毎年2回実施している技能検定技能競技大会の2019年度後期の成績優秀者が発表された。2級鉄筋施工(鉄筋組み立て作業)分野で、いずれもベトナム人で技能実習生のヴォ・ヴァン・チェンさん(26)と、同年4月に創設された「特定技能」の在留資格を持つグエン・ロック・ハイ・ダンさん(26)が今回新設された「知事特別賞」を受賞した。外国人の同大会での受賞は初めて。2人に受け止めと今後の意気込みを聞いた。【池田美欧】  ◇マンション建設にも挑戦したい ヴォ・ヴァン・チェンさん  外国人初の受賞に「まさか自分が受賞するとは。うれしい」と笑みをこぼした。  2016年に来日し、大久保鉄筋工業(小城市)で働き始めて5年目になる。日本語はベトナムで約8カ月間勉強したが、来たばかりの頃は日本語での会話も難しく、慣れるまで苦労した。日本人の先輩たちの助けもあり、働きながら覚えていったという。  現場での鉄筋の組み立てや、加工場で鉄筋を曲げる作業にいそしむ日々。神埼市庁舎の工事にも携わり、庁舎の横を通ると少し誇らしい気持ちになる。今後は「特定技能」へ移行し日本にとどまる予定。「ものをつくるのは楽しいし、やりがいがある」といい、「マンションなどの大きい現場に挑戦したい」と目を輝かせた。  ◇現場で指揮する職長になりたい グエン・ロック・ハイ・ダンさん  2015年から技能実習生として福田鉄筋工業(佐賀市)で鉄筋の組み立て作業に携わる。同社に初めて来た技能実習生で不安もあったが、「社員さんが優しく教えてくれて助かった」と振り返る。  現在、同社にはフィリピン人やインドネシア人の技能実習生や、特定技能の資格を持つベトナム人が計11人いる。職場では一番経験が長い先輩として頼られることもあり、日本語や仕事を教えている。  先輩の背中に憧れ、現場で指揮監督をする職長になることを目標に、技術の向上に励む。佐賀市に建設予定の「SAGAサンライズパーク」のアリーナ工事にも携わる予定だ。受賞を受け、「これを糧にしてこれからも頑張りたい」と意気込んでいる。

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