成田空港、外国人入国者わずかに増 入国制限緩和で新システム試験導入

成田空港、外国人入国者わずかに増 入国制限緩和で新システム試験導入

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毎日新聞

 成田空港で、新型コロナウイルスの感染拡大のため激減していた外国人の入国者数がわずかに増加に転じ、8月は1万人を超えた。1日から入国制限がすべての国と地域を対象に緩和され、ビジネス関係者や研究者、留学生らの中長期滞在が認められた。今後も少しずつ増えると見込まれ、水際での感染防止対策の態勢強化が求められている。  空港1階のロビーに、外国人の到着客がスーツケースを押して出てきた。初めて来日した技能実習生や船員は少し戸惑いながら、出迎えに来たスタッフとあいさつを交わした。カンボジア人の技能実習生5人は、感染拡大の影響で来日が予定より半年遅れた。チェン・ソティーさん(26)は「待つしかなかった。日本で仕事のノウハウを学び、自国に持ち帰って生かしたい」と話した。5人は迎えの車で、受け入れ先の滋賀県に向かった。日本で働く韓国人の男性(43)は、ソウルから到着した妻子と約9カ月ぶりに再会し、長女(3)を抱きしめた。男性は「早く自由に行き来できるようになってほしい」と期待していた。  従来、入国が認められていた一部の国や地域からのビジネス渡航などに加え、1日、入国制限の対象が緩和された。今後、必要な書類を準備し、職場や留学先の受け入れ態勢などが整えば、ビジネス関係者や留学生らの入国が増えるとみられる。観光客は対象外になる。入国者の大半は到着後、感染の有無を調べるため唾液を使った抗原検査などを受け、陰性の場合、自宅や宿泊施設で2週間待機し、公共交通機関を利用しないことが求められる。  成田空港検疫所は入国者数の増加を見込み、9月30日から、到着客がスマートフォンなどから専用サイトに住所、名前、連絡先、健康状態、発熱やせきの有無、滞在歴、搭乗便名や座席番号などを入力して提出するシステムを試験導入した。当面、到着の1便だけを対象とし、約30人が利用する。用紙に手書きするのと比べ、時間が短縮される。待機場所での混雑回避が期待され、本格導入に向け試験を続ける。  成田空港から入国した外国人数は徐々に増加しているが、8月の外国人の入国者数は1万757人と前年同期の69万9422人の1・5%にとどまり、旅客ターミナルはがらんとし、多くの店が休業したままだ。【中村宰和】

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